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vive様 小説 3部作---1/3

高原の親友たち---ある日の妖精JujuとHal---<第1話>


 暖かな日差し。
 雲ひとつない青空。
 今日も森には気持ちの良い朝がおとずれた。

「気持ちいいね」
 Jujuは全身で太陽の光を浴びるように身をのばした。
「ああ。本当に気持ちがいい」
 空から降り注ぐ暖かな光、髪を撫でる心地よい風・・・HalもJujuと同じように身をのばす。
 二人がいるのは広い広い高原。
 生い茂る草はさながら黄緑色の大海原だ。
 HalもJujuもここが大好きだった。
「お〜い、Hal〜! Juju〜!」
 二人がいつもと同じように花畑を飛んでいると、親友のバコタが声をかけてきた。
 バコタは黄色い羽根をもつ可愛い小鳥。いつも遠くへ飛んでは珍しい物を見せてくれる。
 ここ最近顔を見なかったからどこかへ行っていたのだろう。
「やあバコタ。今度はどこへ行っていたんだい?」
 地上に降りたHalは少しウキウキしながらバコタに問う。
「ちょっと北の方にな。まだ北の空はまだ寒くて大変だったけど、気持ちよかったぜ」
「お、そうだ、今回はこれを見つけたから二人にって持ってきた」
 そう言ってバコタは草の上に置いてあったクローバーをくわえあげた。
 ただのクローバーじゃない。
 幸せを呼ぶと言われる四つ葉のクローバーだ。
「わ〜。これ私達がもらっちゃっていいの?」
「ああ。これは二人の為にって持ってきたんだ。喜んでくれれば嬉しいな」
「ありがとう。大事にする。ね、Hal?」
 クローバを抱きかかえたJujuが笑顔を向けてくる。
「うん」
 Halも笑顔で答えた。
「およ? バコタじゃん! いつ帰ってきてたんだよ」
 と、木の小枝のから小リスのリーヤが飛び降りてきた。
 彼もまたHalやJujuの親友であり、仲間だった。木の実が大好きで、いつも両手に抱えている。
 いまも彼は頭ほどある木の実を大事そうに抱えていた。
「ついさっきだ。お前は相変わらずの食いしん坊だな」
「うまいもんは食べなきゃそんそん。そういえばこの前うまい木の実ゲットしたからみんなにやるよ」
「え〜。この前みたいに苦いのだったら嫌だな」
 Jujuがクスッと笑った。
「こ、今度は絶対にうまいって! ホント、うまくて頬がおちちまうって!」
「ま、だまされたと思ってくってやるよ」
 バコタもリースをからかうように笑う。
 からかわれたリースは口を尖らせてそっぽを向く。
 けど、すぐに笑顔になった。
 それからしばらく四人は笑いあった。
 いつものたわいない友達との会話。
 だけどかけがえのない大切で、楽しい時間。
 大自然に囲まれ、友に囲まれたこの高原の生活がいつまでも続くことを・・・。
 Halは青空を見上げながら静かに願った。

  つづく→第2話・前編

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