ハラハラの詩に見送られ ノースロードの片隅を歩き続けるイノス達は 木の葉の囁きを聞いた気がした。
「・・・イノス、僕 行かなくちゃ」 「?、 どうしたの?」
木漏れ日が眩しい
「忘れ物 したみたいなんだ」 「忘れ物?」
駆けずり回る動物の仔等の足音 はしゃぐ声
「未来都市の伝説 思い出しちゃった。 あそこにはウィッシュマスターの メッセージがあるんだ。 僕が詠ったのは たぶんキミへのメッセージ。 僕へのメッセージもきっとあるんだ。 僕、探さなくちゃ・・」
草木の香りはとても優しい
「いっといで、平気だから」 「・・・ゴメンね。見つけたら必ず 必ず帰ってくるから!」
見送るイノスを ノースロードは柔らかにつつみこむ 見えないけど 微かだけど 確かに ノースロードの息吹を感じる。
ハラハラの詩が終わる イノスは心に浮かんだノースロードの姿を 言霊で奏で天使に送った。
(春蔵様・詩) --------------------
そよ風に小さく揺られ 緑の木の葉が歌う 木漏れ日 浴びて キラキラ輝く ノースロード
豊かな大地に根を張る 悠久な時の流れ たくさんの生の営みを 静かに見守る ノースロード
愛しい命たちの声に いつも耳を傾けてきた 弱きものたちの叫びに その身を捧げてきた ノースロード
愛するものたちを失い 忘れ去られようとしている 滴り落ちる露は悲しみ色 それでも愛し続ける ノースロード
(ハル・詩)
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